福島孝徳先生の遺志を継ぐ先生が、noteに記事を投稿されました。
記事では、福島先生の生前の思い出や医療に対する情熱、そして弟子としての学びについて深く綴られています。福島先生がどのように患者さんと向き合い、医療の現場で情熱を注いでこられたのか、その背景を知ることができる貴重な内容となっています。
ぜひ、以下のリンクからこの記事をお読みください。
記事の抜粋
手術が終わると、福島先生は必ずその日の手術の記録をその日のうちにつけていらっしゃいました。文字で記録することはもちろん、術野の絵も描かれていました。なぜその日のうちに記録をつけるのかというと、
「一晩寝ると忘れるし、感覚は残らないからその日のうちに書く」
とのこと。確かに多くの手術をすればするほど、すべてを覚えておくこと、ましてや感覚まで覚えておくことはできません。ただ、そのときに行ったこと、感じたことはその後の改善につながる大切な情報です。
はさみやバイポーラ、鑷子など、手術器具は病院所有のものを使う先生方がほとんどです。しかし、福島先生は自前の手術器具を使われていました。先ほど常によい手術を追求され続けていたという話を紹介しましたが、道具に関しても、使う器具、機械はもちろん、手術時の器具のセッティング、何を使うか、どの器具でどうアプローチするか、器具自体をどう改良するかを常に試し続けられていました。その工夫は常に、とてもきめ細やかなものでした。その工夫が常に手術を進化させ、ゴッドハンドと言われる所以だったのではないでしょうか。
2024年7月31日福島先生は多くの弟子がいらっしゃいますが、育成において「まずはやらせる」という姿勢を貫いていらっしゃいました。できるところまでとにかくやらせて、必要なところで交代し、その先を見せてくださいました。すると「なるほど、こうやってやるんだ!!」と納得しながら最高の技術を習得することができる。それを何回も経験させていただきました。開頭する範囲は非常に小さいにも関わらず術野は通常の3倍近くあるなかで脳底動脈瘤のクリッピングをされているのを見たときは、その技術の高さに目を見張ったのを今でもよく覚えています。