神の手と、夜の10時 ― 福島孝徳先生のこと
夕方の6時に待ち合わせて、先生が来たのは夜の10時近くだった。 先生との打ち合わせは、手術の後に組まれることがあった。ホテルで会うことがほとんどだったが、時間が取れないときは病院になる。手術がいつ終わるかは誰にもわからないから、何時間も待つことになる。先生と仕事をするというのは、待つことと見つけたり …
夕方の6時に待ち合わせて、先生が来たのは夜の10時近くだった。 先生との打ち合わせは、手術の後に組まれることがあった。ホテルで会うことがほとんどだったが、時間が取れないときは病院になる。手術がいつ終わるかは誰にもわからないから、何時間も待つことになる。先生と仕事をするというのは、待つことと見つけたり …
福島先生は、一年の半分以上を海外で過ごしていた。アメリカを拠点に、ヨーロッパ、アジア、中東と、各国の病院に招かれて手術を行い、若い医師に技術を伝え、また次の国へ飛ぶ。そういう生活を、何十年と続けていた。 私の仕事のひとつは、その活動を先生の公式サイトで紹介することだった。海外での手術や講演の様子を、 …
患者さんのために、少しでも性能のいい器具を使う 「脳外科手術では、弘法も筆を選ぶ」というのがDr.福島の口癖のひとつだ。 「最高の手術を行うためには、最先端のベストの手術器具が必要です。いつでも、少しでもいいものを求め、私の手術では、世界でいちばんいい器具を使っています。少しでも性能がよければ、それ …
近代医学を信じてください ▼情報化社会の落とし穴にご注意 名医に巡り会うために必要な考え方、「いい医師なのか能力のない医師なのか」を見抜く眼力についてお伝えしてきました。自分の目で、耳で、感覚で確かめるのがいちばん確実ですが、現在は医師や病院をランク付けする書籍が出回り、イソターネットでは患者さんの …
寿命は医者で決まる ここまで日本の医療、医学界の問題点、脳外科の課題に対する私の提言を述べてきました。ここに書かれてきたことは、読者のみなさんにとって驚きと失望、怒りの連続だったかもしれません。しかし、負の側面ばかりを取り上げてきたのは、私が日本をこよなく愛し、みなさんがよりよいレベルの高い医療を受 …
福島孝徳先生は、脳神経外科の世界で「神の手」と呼ばれた医師である。小さな切開から脳深部の腫瘍を取り除く術式で、世界中から患者が集まった。 私が初めてお会いしたのは、とあるお寿司屋さんでのミーティングだった。ある仕事で、ある方の代理として参加したのだが、そこで、わけもわからないまま先生に叱られた記憶が …
髄膜腫(ずいまくしゅ)とは 脳や脊髄は「髄膜」という膜に包まれています。髄膜は硬膜・クモ膜などの層から成り、その中を脳脊髄液が流れています。髄膜腫とは、この髄膜から発生する腫瘍のことです。脳腫瘍の中でも最も多いタイプのひとつで、全体の約3分の1(約32%)を占めます。 腫瘍の大きさは1cmほどの小さ …
発症頻度と初期診断の現状 聴神経腫瘍は、脳腫瘍全体の約12%を占める比較的頻度の高い疾患であり、人口10万人あたり年間3~4例、東京都では年間約500人が発症しています。CTやMRIの普及により、従来では3 cm程度の大きさでないと発見しづらかった腫瘍が、1~2 cm程度の早期段階でも確実に検出され …
聴神経腫瘍とは 聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)は、脳腫瘍全体の約10%を占める良性脳腫瘍です。特に中高年の女性に多く見られますが、年齢や性別を問わず発症します。腫瘍は「聴神経」と呼ばれる第8脳神経(前庭神経と蝸牛神経)に発生し、耳の機能や平衡感覚に影響を及ぼします。 良性で転移はしないものの、 …