第3回 ASEAN バンコク国際頭蓋底解剖ワークショップ近況報告

今回第3回ASEANバンコク国際頭蓋底解剖ワークショップを、バンコクシュラルンコン大学病院脳神経外科と福島孝徳 INERF(International Neurosurgery Education & Research Foundation)を中心に、Stryker, Stroz, Pfizer, ZEISS, GED, BJCの協賛のもと開催いたしました。
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ご協力いただいた先生方、そして企業の皆様、ラボ皆様のにはこの場を借りて改めて感謝申し上げます。

<各国ワークショップ開催を行うにあたって、福島孝徳先生よりメッセージ>

このようなワークショップは本来、国を挙げて日本官庁から脳神経外科に限らず、医師全体の技術向上、より良い医療を目指すための活動、支援を行っていくべきだと考えています。しかし、日本官庁はそのような活動への支援もなく、福島先生は一人孤軍奮闘し各国での手術デモンストレーション、教育コースを開催して、脳神経外科医の育成を行ってきました。こういった支援、教育が後に日本の、そして世界の医療レベルを支え、より良い世界を作り上げるのに必要なのです。日本官庁はこういった支援も考えていって欲しいものです。

私は、今後も脳神経外科の発展を支えるために、教育の大切さ技術の伝承をするために日々奮闘して参ります。

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バンコクでの開催は今回で3回目になりますが、年末年始の忙しい時期にも関わらず毎回多くのASEAN諸国からの脳神経外科知識と技術の向上のために、熱き心を持った参加者が集まり解剖標本での手術シュミレーション、より深い解剖を学ばれて行かれました。今回参加された人数は見学を含めて約40人ほどの方々が参加され、日本、タイ、南アフリカ、中国、インドネシア、マレーシア、ドイツとASEAN諸国からの参加がありました。 このような会での国際的交流は、国境を越えて脳神経外科医として知識を共有し、患者様を助けるという共通の目的に互いに協力し合うという素晴らしい交流が生まれます。

Prof. Surachai, Prof.Fukushima, Prof.Rungsak, Dr.Peerapong

シュランルンコン大学の解剖教室は非常に素晴らしく、設備も整っており参加者の先生方も非常に有意義な解剖実習をされておりました。驚くべきことは、多くの顕微鏡や準備されていた手術器械等は、こういった教育を支援してくださる方からの寄付からまかなわれているという事でした。またICUを見学させていただいたのですが、ここもまた素晴らしい医療機器を備えておりましたが、これもまた寄付からまかなわれているという事でした。タイという国が、医療の大事さ、また医療教育の大切さを理解しており、そういった活動を支えてくださっている方々がいるという事実に大変感銘を受けました。

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今回のワークショップ日程です

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初め2日間で頭蓋底手術に欠かせないMastoidectomy, combinedpetrosal approach, ELITE approach, Jugular Foramen の解剖を行いました。今回は3日目にドイツからの内視鏡手術のスペシャリストJens Lemberg先生を招き、「経鼻的内視鏡拡大頭蓋底手術への応用」の日を設け、各テーブル内視鏡を用いて、拡大蝶形骨洞、篩骨洞、上顎洞からの頭蓋底手術を行い、より解剖学的理解を深いものへとし、更なる技術の獲得のための講義とハンズオンを行いました。

Dr. Jens Lemberg

福島孝徳先生の解剖ワークショップのモットーは、臨床に即した解剖を、臨床に生かせる解剖を学ぶ事!より良い解剖標本で、臨床さながらの顕微鏡、パワードリル、手術道具を用いて手術をシュミレーションしながら解剖を学ぶという事!!これが一番大切と常々訴えております。

実際私もフェローとしてこの解剖コースのデモンストレーション、レクチャーを担当させていただき、解剖技術を学ばせて頂いておりますが、解剖での知識、そして技術が臨床でそのまま応用でき、この解剖の大事さ、福島孝徳先生の教えが本当に素晴らしい物だという事を毎回痛感いたします。
今後もこのようなワークショプを通じて世界との交流、そして技術、知識を深め今後の脳神経外科の発展に寄与できるよう活動を継続していきたいと考えております。

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2014年1月29日