顔面けいれんになって何年もたちますが……
Q顔面けいれんは、発症してから年月が経っていると治りにくいですか?
発病から何年経っていても、私の行う神経血管転置移動術(MVT手術)で一発全治できます。顔面けいれんは慢性進行性の病気ですが、人によって進行速度は異なります。中にはゆっくりゆっくり進行する人もいますが、1、2年でかなり悪化してしまう人もいるのです。しかし、たとえ発症してから30年以上顔面けいれんに悩まされてきた方でも、血管を神経から剝離・転置移動固定術で顔面けいれんはピタッと止まります。顔面けいれんは、顔面神経を血管が圧迫するために起こる病気なのですから。血管の圧迫が強くて神経が凹んで変色している場合などは、しばらく少しのピクピクが残ることもありますが、1~2か月ほどでよくなっていきますので安心してください。
年齢と病気・手術の関係
Q三叉神経痛や顔面けいれんは若い人でもかかるのでしょうか?
三叉神経痛や顔面けいれんは、脳の動脈が動脈硬化によってたわむことで起こりやすくなります。そのため、40代半ば以上の中高年の方に多いのですが、若い世代にも起こります。最年少では6歳で発症し、12歳で手術した事例もあります。しかしこれは非常にまれなケースで、普通は早くても20代の後半から30代と考えていいでしょう。大事なことは、若いからかからないと安心するのではなくて、本書で説明したような症状があれば、早めに専門家の診察を受け、正しい診断とベストな治療を受けることです。
Q70代でも手術はできますか?
大丈夫です。これまで80代~90代の患者さんの手術も多数例行っています。最高齢の患者さんは95歳の男性です。長年、三叉神経痛に悩まされてこられた方でした。こんなにつらい痛みを我慢しながら生きていくくらいなら、死んだほうがまし、とおっしゃって手術を決意されました。基本的には、全身麻酔に耐えられる体力があるかどうかです。私が執刀する場合、1時間から2時間程度の手術に耐えられるだけの体力と、内科的問題がなく、麻酔が可能であれば、手術をおすすめします。肺機能、心臓血管系、腎機能の検査が必要ですが、年齢はそれほど関係がありません。
近くの病院では鍵穴手術は受けられないようですが……
Q近くの病院では、顔面けいれんの手術はできないので、「ボトックス治療を」と言われました。三叉神経痛ではガンマナイフをすすめられました。でも、福島先生の鍵穴手術で全治したいのですが、どうすればいいでしょうか?
ボトックス治療は、毒素による顔筋麻痺で一時的に多少の効果があるだけで、長続きするけいれんの消失はありません。ガンマナイフ治療はコバルトのガンマ線で神経をやけどさせる方法で、再発が多く、しびれ、ふらつき、顔面麻痺等の副作用もあるのですすめません。顔面けいれんや三叉神経痛の鍵穴手術を希望される場合は、本書の巻末や私のホームページで紹介している「福島孝徳が手術を行う病院」をご覧になって、お近くの病院にお問い合わせください。だいたい2か月に1回、2~3週間程度の来日期間中に、全国12か所の病院を回って手術を行っています。
また、頭蓋底の鍵穴手術の免許皆伝を受けたといえるすばらしい私の一番弟子たちが、全国に12名います。たとえば、福島孝徳脳神経センター(西西)の根本暁央医師は、頭蓋底手術のスペシャリストし、顔面けいれん、三叉神経痛の手術も免許皆伝です。湖東記念病院(滋賀・東近江市)の井上卓郎医師も鍵穴手術のエキスパートで優秀な頭蓋底手術の熟達医です。
私一人で全国すべての患者さんを手術することはできません。今、福島孝徳と同じレベルの次世代の脳外科医を一人でも多く育てたいと思って奮闘しているところです。また、本書の巻末に掲載されている私のホームページから電子メールで直接ご連絡いただいても結構です。必ず目を通し、多少時間をいただくことはあっても必ずご連絡します。
手術の費用について
Q福島先生に手術してもらう場合、手術費はどれくらいかかるのでしょうか?
私が手術を行っても、特別な治療費がかかるわけではありません。私は日本の患者さんからお金はとりません。また、この手術には保険が適用されますので安心してください。三叉神経痛や顔面けいれんの手術の場合、手術費と入院費(1週間程度)で150万円ぐらい(病院によって多少差はあります)ですが、実際に病院から患者さんに請求される金額は10万~30万円くらいでしょう。また、日本では高額医療医療費(食事代や差額ベッド代を除く)には補助が出ますから、年齢や所得に応じて申請すれば後で返ってきます。アメリカで手術を受けると、健康保険が整っていないので2、3日で退院しても500万円から800万円はかかりますから、日本は本当に恵まれていると思いますよ。
手術治療のリスク
Q顔面けいれんや三叉神経痛の手術治療で、どんなリスクがありますか?また、それはどれくらいの確率で起こりますか?
私が鍵穴手術による微小血管転置移動術(MVT手術)を確立してから30年余り、普通の生活に戻れないような重篤な合併症を起こしたケースは一例もありません。ただ、患者さんにはお年寄りの方が多いので、耳が聞こえにくくなるとか、神経の絡みつきがひどくて、ちょっとしためまいやふらつきが残るというマイナーリスクが、1%ほどあります。医師を選ぶ際は、担当医に、「今までに手掛けたその手術の症例数」と、「合併症などのリスク」を必ず確認し、安心して任せられる医師を選ぶことが大事です。名医は必ずいます。あなたの命を預けるのですから、どうか妥協せず、納得のいく病院、安心して任せられる医師のもとで手術を受けてください。
Q三叉神経痛の痛みを薬で抑えていますが、このまま薬を続けても大丈夫でしょうか。開頭手術には不安があります。
痛みが薬でコントロールできるのであれば、しばらくお薬を続けても問題はありません。ただ服薬による痛みの緩和はあくまで対症療法であり、三叉神経痛が自然治癒することはありませんから、私は鍵穴手術によるMVT手術で一発完治されることをおすすめします。無剃毛で3センチ程度の皮膚切開、開頭は1~2センチ、2時間程度の手術で完治できます。
世界一の医療水準を誇るアメリカの医療関係者から「神の手を持つ男」(The Last Hope)と称賛される脳外科医Dr.福島孝徳は、今年2018年で医師生活50年を迎えた。現在でもアメリカ、ヨーロッパ、北欧、南米、アジア、ロシア、エジプトなど世界20カ国以上を飛びまわり、高難度手術を年間600人以上行っている。
「絶対にあきらめない、成し遂げる」という強い不屈の心、闘いつづける力はどこから来るのか——。
世界一と称賛される奇跡の技法「鍵穴手術」について、また、患者さんからの感謝の声、愛弟子たちの秘話も満載。
「私のところには“Dr.福島でなければ治せない”という難しい腫瘍や巨大脳動脈瘤などの複雑な病気の患者さんが、最後の望みをもって来てくださいます。それが私にできる手術であるなら、どんな患者さんでも受け入れます。そして、いつも患者さんに言います。“私が手術するんだから、もう大丈夫”と」 (福島孝徳)
◎脳外科に人生を捧げた私のミッション
◎75歳の今でも、その日に行った手術の復讐は怠らない
◎なぜ私が世界や日本各地を飛びまわるのか
◎私の手術を見学したい若手医師を歓迎します
◎世界一の手術師が生んだ奇跡の技法「鍵穴手術」
◎1円玉大の穴をあけ、顕微鏡で手術する
◎鍵穴手術による治療「顔面けいれん」「三叉神経痛」
◎私の後を継ぐ「次世代の脳外科医たち」の声
◎日本で福島孝徳が手術を行う病院一覧