賢い患者が名医に出会える!(2) ※神の手の提言ー日本医療に必要な改革 第5章 【書籍抜粋】

近代医学を信じてください

▼情報化社会の落とし穴にご注意

名医に巡り会うために必要な考え方、「いい医師なのか能力のない医師なのか」を見抜く眼力についてお伝えしてきました。自分の目で、耳で、感覚で確かめるのがいちばん確実ですが、現在は医師や病院をランク付けする書籍が出回り、イソターネットでは患者さんの情報、評価をもとにしたランク付けも登場したと聞きます。

今まで医師の実績や考え方を知る方法がなかったことを考えると、一概にこれらの情報をダメだと否定する気はありませんが、あくまでも参考程度に利用すべきでしょう。

例えば、聴神経腫瘍の専門医の場合、「聴神経腫瘍についてどの程度の進行度の症例」を、「昨年1年間に何例手術した」実績があり、それによる「全治率、合併症の発生率、患者さんの術後満足度、感謝度、死亡率はどうか」などといった客観的なデータが有効な情報源になるでしょう。しかし、こうした客観的な根拠を示さず、「この人は聴神経腫瘍の手術の名医」といった類の宣伝記事は、信用に値するとは言い難いといえます。その記事の筆者が、どれほど医学に精通し、取り上げた疾患に関してどれほどの理解度があるのかわからないとしたら、何を根拠にその記事を信じればいいのでしょうか。

こう言っては失礼かもしれませんが、対象となる疾患についての正しい医学的知識がなく、評価対象にする医師の医学的実績を知らないメディアが評価するランキングに信憑性がないことはいうまでもありません。

このように、巷にあふれる医療情報や医師に対する評価は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)です。みなさんが利用できる情報は、客観的なデータが示されている、真の臨床、医学的なバックグラウンドをもった人が根拠を示して書いている記事くらいではないでしょうか。

医療の分野にも情報化の間違いや落とし穴は、あちこちに開いているのです。

▼科学的な根拠のない医療にだまされない

情報の落とし穴といえば、世の中にはまやかしの医療情報が蔓延しています。厚生労働省は、まやかしの医療にもっと厳しい目を向け、コントロールすべきです。被害を受けるのは、藁をもつかみたい弱い立場の患者さんなのですから。厚労省は医学界、科学界と一致協力して、詐欺まがいの悪徳商法を取り締まる必要があります。

例えば、「中国四千年の歴史が生んだガンに効く○○○」などという謳い文句で、1箱が何万円もする代物が実際に売られています。私がもっと驚くのは、「超高濃度ビタミンC点滴療法」が難病やガンに効くという新聞広告などです。全く科学的な根拠も示していないのです。医学的な常識から考えても、ビタミンCだけを投与してガンに効果があるなどということはありえません。こうした広告が、大手を振ってまかり通っていること自体がおかしいのです。患者さんが、「米国の○○○博士がやっている」などといった美辞麗句に誘われて、科学的な根拠がないものに高額のお金を払うのはみていられません。

もちろん、みなさんが自分のお金で高額な健康食品を買うのは自由です。しかしその商品が、本当に自分にとって有益なものかどうかを見極める眼力を持つことのほうが先決なのです。なんとかキノコだの、なんとか免疫薬だの、本当に効くかどうか、専門医に聞いてからお金を使ってください。 巷にあふれる詐欺まがいの違法すれすれの金儲け商法を厳しく取り締まるのが、厚労省本来の義務であり、役人の任務であります。医師・病院をたたく前に、何をせねばならないのか、官僚のみなさんはよく考えていただきたいと思います。

世界中に名医を育てる

▼若手名医の育成を全世界プロジェクトとして

脳外科医というのは、本当に激務です。1日の手術が3例あると、最後の手術が深夜に及ぶことはよくあります。そして翌日も朝から手術です。体力的にはもちろんのこと、手術中は全神経を集中しているわけですから、精神的にも強烈な負荷がかかっています。

しかし私は今まで、引退のことを一度も考えたことがありません。多くの患者さんが待っているからです。

ただ、私の身は一つですから、例えば東京と福岡にいる患者さんを同時に助けることはできません。ですから、私が手術できないときに、「私は、そちらへ行けないから、この人に頼みなさい」といえる脳外科医を全国、いえ世界中に育てたいと思い、現在活動をしています。

2001年に米国公益財団の「国際脳神経外科教育研究基金(INERF)」を立ち上げて、「名医を育てる」全世界プロジェクトをスタートさせました。

現在、世界中の若手医師の先進教育を全力でやっています。学生、研修医、脳外科レジデント、専門医も含めて、高度な技術をもち、患者さんのために一生懸命に死力を尽くす精神をもった脳外科医育成のための集中高度先進教育を進めています。とにかくいちばん大事なのは、手術がうまくなければいけない。これは、もう理屈抜きで名医の第一条件です。

財団の予算は年間3000万円です。私が開発した「福島式器械」のロイヤリティのすべてと、私財をあわせて1500万円出し、あとは私の考えに共鳴してくれる友人や病院など、諸々のところからの寄付を受けて賄っています。

▼世界中で私の弟子が活躍している

現在私は資金的なものを含めて、日本だけでなく、南米への援助、ギリシャやイタリアへのサポートもしています。

また、世界中からやってくる、私の手術を見たい、勉強しに行きたいという脳外科医には、滞在中の面倒もできる範囲でみています。私は日本にいる有望な若手脳外科の医師を、「私が滞在費の面倒をみるから、あなたの病院の院長に、エコノミーのエアチケットだけもらってきなさい」といって、アメリカに呼んで勉強させています。今も3人の若者に奨学金を出してあげたり、アメリカでの学費の面倒をみたりしながら教育とトレーニングをしています。そのうち、また新たに2人が研究に来ることになっています。

先日は、モルドバという小さな国からも、脳外科の教授と准教授5人が手術を見学にきました。道具も設備も手術も、「こんなすごいもの、今まで見たこともない」と感激していました。どこの国でも、誰でも、勉強したいという医師に対し、私はいつでも大歓迎です。

長年、そのような活動をしてきたことで、私の直弟子といえる脳外科医が、世界各地で活躍しています。アメリカや日本はもちろん、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、チェコ、ギリシャ、ウクライナ、スウェーデン、ノルウェー、ベネズエラ、ブラジル……。「福島国際グループ」と呼んでいるのですが、福島グループとして、国際脳神経外科組織までできてしまいました。

外国に行かれた日本の大学教授が、「驚きました。福島先生の話題で持ちきりです」とびっくりしていらっしゃいました。日本の脳外科医はあまりご存じないようですが、私はアメリカのデューク大学、ウエストバージニア大学の教授職のほかに、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャ、ベネズエラ、スウェーデン、ウクライナ、そして先ほどのモルドバの大学など、さまざまな国の大学から客員教授として招聘されています。

私は医師としてアメリカという国にとても感謝していますが、逆にそのアメリカのウエストバージニア大学は、私の功績を認めてくれて、私の名前がついた大講堂を造ってくれました。

そのセレモニーには世界中から医師が集まり、自分のことのように喜んでくれました。 1人の日本人として、本当に誇らしい気持ちでいっぱいです。


”すべては患者さんのために”をモットーに世界中で活躍し、日本でも”神の手”として数々のメディアに登場する脳外科医・福島氏が、日本医療の数々の問題点に鋭く斬り込む!

第1章 こんな医師にあなたの命は救えるのか!?
第2章 能力のない医師が増えていく日本のシステム
第3章 日本は先進国最低レベルの医療費国家だ!
第4章 日本の脳外科医に伝えたいこと
第5章 賢い患者が名医に出会える!
おわりに すべてを患者さんのために

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2026年1月31日