Dr.福島が解説する脳疾患

Dr.福島が解説する「脳腫瘍」

脳腫瘍は稀な病気ではありません。人口10万の街で毎年約30人が脳腫瘍を発症します。東京都の場合、計算上は毎年4,000人もの方が脳腫瘍を発症していることになります。加えて検査を受けない方も多く、また1㎝内外の小さな腫瘍や、身体のどこかに“がん”があって脳に転移する腫瘍なども含めるとさらに発症率が高くなります。脳腫瘍は頭の中、頭蓋底も含めて、どこにでも発生する可能性があります。WHOの病理学的分類では、脳腫瘍は158種類あるとされています。

大脳、脳深部の基底核や視床、そして小脳(バランスのセンサー)や脳幹(中脳、橋、延髄と3部分に分かれる)、脳実質内に発生する腫瘍は、神経細胞腫、神経芽細胞腫(悪性)、神経節細胞腫、及び最も多い神経膠腫(グリオーマ/脳内部にある、少し硬めのニカワのような腫瘍という意味)があります。しかし、神経膠腫(神経細胞をサポートするグリアという細胞の腫瘍)は、良性でも、びまん性に広く深く浸潤するタイプが殆どで余命が限られます。

一般にグリオーマは、腫瘍の悪性度によってGrade1~4に分類されます。Grade1は小児から若年の特殊なタイプのグリオーマで全剔出の可能性もあります(毛様細胞腫と呼ばれます)。Grade2は良性ですが、全治可能なのは1.5㎝以内の腫瘍で早期発見の数%程度です。ほとんどの患者さんは5~10年の余命となります。Grade3は3~5年、Grade 4は2年内外の余命となります。赤ちゃんから高齢者まで、年1回の脳ドックを受けて脳疾患の早期発見、早期治療を実現し、全治しましょう。CTはアメリカでは$2,500(140円/1ドル円換算だと35万円)、MRI検査は$5,000(140円/1ドル円換算だと70万円)もかかります。日本は世界で最も医療費が安い(1万円内外)ので、積極的にがんドックや脳ドック、循環器ドック、消化器内視鏡ドック、婦人科ドックを受けましょう。

グリオーマの治療

まず、境界が鮮明な局在性のタイプ、2cm以下の早期発見タイプを鑑別しましょう。Grade2のこれらグリオーマは、福島式鍵穴手術(手術剥離するスペースは5~10mmの範囲)で全剔出・全治が可能です。これら以外の大きなもの、浸潤性のものでは合併症の無い範囲で可及的多く切除し、病理をよく見ます。Grade2の場合は、化学療法のみで、放射線治療はできるだけ後に延ばすのが賢明です。何故なら、放射線障害の副作用や放射線による悪性転化の可能性があるからです。Grade3~4の悪性グリオーマでも可能な限り切除し、その後に化学療法や放射線治療が行われます。余命が限られる点、集学的な総合治療が必要なことから、グリオーマ治療を専門とする大学病院での治療を進めます。

執刀医師には豊富な臨床実績が必要

脳腫瘍の1/3は脳実質内の腫瘍ですが、2/3は、脳の周囲か、外側に発生する腫瘍となり、良性なら高確率で全剔出・全治が可能です。ただし、執刀する医師には豊富な臨床実績(数百例以上の当該脳腫瘍の手術経験)と、それを背景にした高い顕微鏡マイクロ技術が必要です。治療を受ける医師で運命が決まります。カネや太鼓で名医、達人を探しだしてください。以下に、全治が可能な脳腫瘍について詳しく解説します。殆どが良性で、脳実質の外にできる脳腫瘍が対象になります。発症率が高い順に紹介します。()内の数字、福島孝徳の手術症例数です。

  1.  髄膜腫 32% (2,500例以上)
    脳腫瘍の1/3を占め、多くが良性で全治可能な脳腫瘍です
  2.  脳下垂体腫瘍 15% (3,830例以上)
  3.  聴神経腫瘍 12% (2,600例以上)
  4.  類上皮腫 0.5% (380例)
  5.  松果体腫瘍 0.3% (160例)
  6.  その他稀な脳腫瘍…眼窩内腫瘍(150例)、側頭下窩腫瘍(180例)、脳室内腫瘍(140例)、血管芽腫(80例)、第3脳室コロイドのう胞(60例)、脊索腫(140例)、軟骨肉腫(30例)

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