福島孝徳 脳神経外科 活動レポート 2019年03月・04月 <後編>

福島孝徳 脳神経外科 活動レポート  2019年03月・04月 <後編>

 

■4月4日(木)

朝一で羽田→札幌に移動。

大野記念病院で側脳室三角部と左後頭葉大脳鎌巨大髄膜腫の2件の手術を行い、夕方5時30分の便で東京へ戻りました。

 

■4月5日(金)

森山記念病院でセカンドオピニオン外来9名の診療と、聴神経腫瘍、海綿静脈洞髄膜腫、脳底動脈瘤と3件の難しい手術を行いました。2,3,4,5全て露出。夕方5時30分に終了しました。


 

■4月6日(土)

午前中、静岡県焼津市の志太記念脳神経外科でとても稀な左中頭蓋窩TMJ部の巨細胞腫の全剔術を行いました。術後聴力保存、顔面神経正常、合併症なし。

夜は年1回の春のAmerican Music Live Eventに参加しました。

新宿5丁目のLive House「ミノトール」で、ジャズ、ロックンロールのドラム演奏。bee bop a lulaを歌いました。

 

Original Doctor Jazz Bandのメンバー9名です。

 

■4月7日(日)

朝1で鹿児島へ。

霧島記念病院でAcom動脈瘤のクリッピングと他病院で合併症を生じた再発髄膜腫の全剔手術を行いました。合併症が改善しました。

 

■4月8日(月)・9日(月)

厚地脳神経外科病院で2日間に亘ってセカンドオピニオン外来6名と髄膜腫、聴神経腫瘍及び30歳男性の大きな左海綿静脈洞内軟骨肉腫を手術しました。さらに17歳女子高校生の大きな左脳幹内海綿状血管腫の全剔手術を行い、いずれも5ミリの穴から鍵穴テクニックで全剔できました。合併症ga無し。(下図MRI)

 

■4月10日(水)

羽田から新百合ヶ丘総合病院へ。

左小脳橋角部の大きなのう胞を伴う再発Angioblastic髄膜腫の手術を行いました。午後2時に終了し、直ちに東海大学へ移動。50歳女性の再発巨大な右中大脳動脈紡錘状動脈瘤の頭蓋底バイパスを施行。中大脳動脈の末梢血流を確保しました。合併症無し。

 

■4月11日(木)

滋賀県東近江市の湖東記念病院にて、セカンドオピニオン外来6名と非常に稀な右海綿静脈洞内黄色線維性を伴うエピデルモイド手術、大きな類上皮腫の硬膜外根治手術を行いました。さらに右内側蝶形骨縁髄膜腫の全剔術も行いました。(下図MRI)

滋賀県東近江市 湖東記念病院 脳神経センター長 井上拓郎先生と

 

■4月12日(金)

中野区江古田の総合東京病院で中脳背側良性毛様星細胞腫の根治的切除と巨大再発性頸静脈孔神経鞘腫の亜全剔手術をおこないました。すべて無事終了。

 

■4月13日(土)

早朝、東京クリニックでセカンドオピニオン外来6名を行い、その後郡山市の総合南東北病院に移動。錐体骨斜台髄膜腫の全剔手術、典型的な三叉神経痛2例を行いました。

 

■4月14日(日)

相模原市の晃友脳神経外科眼科病院で50歳女性の左顔面痙攣鍵穴根治術。次いで同じ50歳男性の左巨大小脳橋角部類上皮腫。視神経直下から3,4,5,6,7,8,9-10-11-12まで11本の脳神経とメジャーの動脈6本を全て剥離温存して全剔手術を約4時間で行いました。(下図MRI)

相模原市 晃友脳神経外科病院 大橋元一郎院長(日本トップの顕微鏡手術熟達専門医)と

 

■4月15日(月)

さる大学で行われた24時間の手術と21時間の手術(大開頭)計2回の手術で殆ど取れてない20歳の若い女性の大きな聴神経腫瘍のやり直しオペを行いました。この2回手術は極めて長時間の不適切手術で右小脳は7割ダメージ、かろうじてテントと三叉神経が判別出来るのみで、残りは、べったり癒着のため顔面神経も9-10-11下位脳神経も全く判別出来ない状況でした。「トリモチ」と「もや」の中でコンピューター刺激を頼りに何とか90%切除を行いました。奥のうす皮は顔面神経保存のため残さざるを得ませんでした。 (下図MRI)

「聴神経腫瘍」は小さくても脳神経外科で最も難しい手術であり、技術と能力、臨床経験の不十分なドクターは行うべきではありません。手術時間は通常3~6時間以内です。患者さんや家族の方々もきちっと調べてその道の名医、達人を探さねばなりません。

もう一人の患者さんは小学生で、右脳幹上部に外側へ突出する脳腫瘍があり、MEP運動反応をコンピューターで観察しながら95%摘出手術を施行しました。残念ながら術中の迅速病理診断で悪性グリオーマという診断であったので、亜全剔で止めました。術後正常、合併症全く無し。(MIB-I 50~75%)(下図MRI)

前人未踏の脳幹腫瘍の手術に成功

 

■4月16日(火)

本日も、とある大学で2回の開頭手術を受け、まだ半分以上残っている巨大脳室内腫瘍(中枢性神経細胞腫)を約2時間で全摘手術を行いました。(下図MRI)


 
次いで70歳の大きな左錐体骨斜台髄膜腫を4,5,6,7,8全て温存して全摘出手術を行いました。(下図MRI)

 
夕方 高知→羽田へ戻りました。

 

■4月17日(水)

朝一で、午前中、西葛西の森山脳神経センター病院1階にある 福島孝徳脳神経センターで、セカンドオピニオン特別外来を12名行いました。日本全国からいらっしゃった脳動脈瘤や脳腫瘍、頭蓋底腫瘍でお困りの患者さんと御家族です。親切・誠実・丁寧に説明して、御理解を頂けました。

午後は海綿静脈洞、ガッセル神経節内から後頭蓋窩錐体骨斜台にダルマ型の髄膜腫を、若い方なので拡大中頭蓋窩ロンボイド・ペトロセクトミー法で全剔しました。合併症無し、全て左硬膜外(脳をあけない方法)で手術しました。(術前・後のMRI必要)

2例目は、再発の大きな左錐体骨髄膜腫です。他院で行った手術の影響で軽度顔面麻痺が残っています。若い方なので全剔が必要です。すでに聴力がダメージ受けているので経迷路法・拡大トランスラボアプローチ(福島の最も得意な方法)、左Trans Sigmoid open doorを追加し、1cm程Retrosigmoid duraをopenして、合計4cmの頭蓋底openingを確立しました。前回より、もっと前から顔面神経直視下に剥離を進めました。顔面神経は髄膜腫の裏ではなく、表面にセロファン状にうすく伸ばされ、剥離は不能、爪の皮程のうす膜をつけて、コンピューターのNIM3反応をチェックしながら、何とか髄膜腫のMain massから少しずつ離して、深部の錐体骨斜台部の癒着部をDevascularize, Detach出来ました。時間をかけて内減圧し、残りの腫瘍被膜をテント下面と小脳から剥離し全剔しました。術後の問題点なし。No new deficit.

最後の3例目、これもとても困難な再発3㎝の聴神経腫瘍手術。35歳の若い女性です。前回は聴力保存の為内減圧のみの部分切除で聴力は保存されましたが、ここ2年で聴覚脱失となり、このたび経迷路トランスラボ法で手術となりました。腫瘍は硬く、易出血性で周囲組織との癒着が強く、5,6,7,9,10の脳神経の同定がかなり困難。止血を注意深く繰り返し、丁寧にマイクロ剥離をすすめ、5,6,9,10を何とか確保するも7番の顔面神経は近位部9番の近くで肉眼的に確認出来たが、末梢は透明な膜で、ダブルS型に腫瘍にべったりはりついて、とても離れません。NIM3のコンピューター刺激を頼りに、ダブルS字型に捻れた、顔面神経を何とか薄い被膜を1~2ミリつけた型で95%の切除が出来ました。NIMの反応が少し下ってきたのでStopしました。幸い術後は顔面正常麻痺なし、回復順調でホッとしました。

北葛西 森山記念病院で上記の手術後、ICUで全患者さんのOKを確認し羽田へ向かいました。ANA夜中便で帰米。

今回も、北海道、東北から鹿児島まで、17日間、14か所の病院を廻って、38名の難しい脳疾患に苦しむ患者様をお助けできました。日本全国の神社・仏閣に手を合わせ感謝・合掌!

では、次回5月13日来日までアスタラビスタベイビ!

町から町へ、常勝サムライWarrior 「木枯らし孝徳」

カテゴリー名: 福島孝徳 脳神経外科 活動レポート |投稿日:2019年10月1日