福島孝徳 脳神経外科 活動レポート 2018年12月

福島孝徳 脳神経外科 活動レポート  2018年12月

 

■12月9日(日)

Duke大学病院の手術を終えて、いつもの如くLos Angeles 経由の夜行便で羽田へ(朝05:00AM)。直ちにホテルに早朝チェックインし、少し休んでから相模原市の晃友脳神経外科眼科病院へ移動。
 
若い女性の右聴神経腫瘍(3㎝サイズ)の手術を行いました。この方は、電話も聞こえるSDS75%、きれいなABR (聴性脳幹反応) -5波、よく同定できる聴神経(cochlear nerve)と3拍子そろっているので、聴神経と顔面神経(caudalシフト)側の被膜をわずか残してNTR resectionとしました。
 
 

■12月10日(月)

西葛西の福島センターで外来(セカンドオピニオン)8名、次いで北葛西の森山記念病院で5例のメジャー手術を行いました。
 
1例目は、右中大脳動脈の未破裂動脈瘤のミニ開頭術です。クリッピングを白水先生と一緒に行いました。スムースなexcellent OPで術後も優良、合併症なしでした。その後、脳腫瘍3例を手術し、最後に右脳幹部の非常に難しい血管腫の摘出手術を行いました(結果良好)。
 
 

■12月11日(火)

江古田の総合東京病院で若い女性の中等大のAcoustic Neuroma、右聴神経腫瘍を切除しました。この方は10年前に某大学で部分切除を受けましたが、その後、腫瘍が増大してしまいました。顔面神経が腫瘍の上面に偏位圧排された100人に1人の稀な症例で、少しの被膜を残して完了。次いで、椎骨動脈本幹圧迫による難しい左顔面の減圧手術を行いました。
 
 

■12月12日(水)

北葛西の森山記念病院にて、激痛で食事も出来ない典型的な左舌咽神経痛のカギ穴手術を行いました。椎骨動脈、後下小脳動脈の転置移動術を施術し、全治です。
 
2例目は左三叉神経痛の手術で、これも典型的な上小脳動脈の“くい込み圧迫”です。3例目は右異型顔面痛;ブロック,神経凝固術,放射線治療を2回行い、某大学で手術を2回も受けましたが、痺れとdysesthesia(異常感覚)及び持続性頑痛があります。本来は私のカギ穴手術の適応にはなりませんが、患者さんの“どうしても”という要請でexplorationを行いました。動脈ループの圧迫は全くなく、そもそもの最初から三叉神経痛ではありません。不適切な診断で、不適切な治療を他の病院で5回も受けてしまった副作用に苦しむ患者さんでした。
 
3例の手術終了後、直ちに羽田空港へ。
 
 

■12月13日(木)~14日(金)

上海市華山医院大学脳神経中心の新病院落成記念講演会招待で2日間出かけました。脳神経外科病院のあまりの大きさに驚きました。脳外科だけで800床、手術室42部屋を持ち、年間脳外科手術2万件が目標だそうです。講演会も欧米の教授40名が招待されており、会場も巨大でした。
 
 

■12月15日(土)

上海から鹿児島空港へ。
 
この日は午後に厚地脳神経外科病院で2例の脳幹内腫瘍の難しい手術がありました。
 
 

■12月16日(日)

霧島記念病院にて若い女性の右顔面痙攣手術を行いました。
 
終了後、大阪へ飛びました。
 
 

■12月17日(月)

午前は、大阪府四条畷市の畷生会脳神経外科病院にて10名のセカンドオピニオン外来、午後は3例の手術を行いました。
 
1例目は4×5㎝の巨大聴神経腫瘍の全剔手術を行い、顔面神経をうまく剥離できました。2例目は複雑な4本血管圧迫の左顔面痙攣の治療、3例目は神経線維腫症2型の超複雑な右小脳橋角聴神経腫瘍と広汎髄膜腫のDouble脳腫瘍の手術でした。
 
 

■12月18日(火)

この日も畷生会脳神経外科病院です。8名セカンドオピニオン外来と、聴神経腫瘍、舌咽神経痛、右顔面痙攣の3例の手術を行いました。
 
 

■12月19日(水)~20日(木)

朝1で大阪から高知市竜馬空港へ。
 
愛宕病院脳神経センターにて、センター長の溝渕先生と、松果体腫瘍、錐体骨斜台髄膜腫、側脳室内腫瘍、眼動脈動脈瘤の4例の手術を行いました。
 
 

■12月21日(金)

中野区江古田の総合東京病院において、右三叉神経痛、左三叉神経痛の神経血管転置移動術を行いました。
 
 

■12月22日(土)

北葛西の森山記念病院で、左舌咽神経痛(典型的4本圧迫)、右三叉神経痛の血管転置手術、稀な中頭蓋窩からマストイドを充満する頭蓋底骨内聴神経腫瘍の全剔術、鞍上部視床下部の稀な海綿状血管腫の全剔術の4例の手術を行いました。(1日4例で大変でした)
 
 

■12月23日(日)

朝1で鹿児島へ。
 
霧島記念病院で右錐体骨斜台髄膜腫の全剔手術を行って羽田へ戻りました(日帰り手術)。
 
 

■12月24日(月)

相模原市の晃友脳神経外科眼科病院で中国の方の三叉神経鞘腫の全剔手術を行いました。
 
その後、夜行便で羽田からバンコクへ。
 
 

■12月25日(火)~31日(月)

早朝にバンコク着。ホテルで少し休んだ後、バンコク市内のチュラロンコン大学病院に移動しました。
 
ここ10年、年末のクリスマス・正月には、ASEAN(東南アジア諸国連合)10ヶ国の若手脳外科医に向けた実地臨床教育(Live手術デモと解剖標本を使った手術訓練など)を行っています。今年はタイのチュラロンコン大学病院にて行いました。同病院には、25の実地解剖ステーションとライカ顕微鏡を備えた世界最大規模のハンズオンセンターがあります。25日から30日までびっしりのハードなカリキュラムでした。

第8回 福島孝徳記念頭蓋底手術実地訓練ハンズオンコース

第8回 福島孝徳記念頭蓋底手術実地訓練ハンズオンコース


  
Live手術には、右中大脳動脈の巨大な動脈瘤の根治手術を依頼されました。患者さんは25歳の若い女性の方で、とても難易度の高い手術でした。この手術は、東海大学頭蓋底センター主任の野中先生と福井大学の菊田教授に手伝って頂き、伏在静脈の枝3本を使って、フォークバイパス(福島考案)にて行い、無事成功しました。3本のフォークバイパスは菊田教授が採取してくれた枝3本付の伏在静脈があって実現したものです。
 

 
ASEAN10ヶ国の脳外科医50名が見ている中での手術はいつもより緊張しました。
 
患者さんのご両親からは、「最愛の娘を救ってくれて有難う」と涙の感謝を頂きました。患者さんからも、後日、正常に歩いているビデオとお手紙を頂きました。まことに嬉しい事です。神に感謝。
手術3日後

手術3日後


  
31日は、チュラロンコン大学病院脳神経外科のウドム助教授(次期教授候補のとても優秀な助教授、福島の一番弟子)の案内でかの有名な「戦場にかける橋」のあるカンチャナブリへ出かけ、クワイ河と6,000人の英軍捕虜の墓を訪問しました。映画では、過酷な強制労働で死んだとされていますが、日本軍の兵隊さんの死亡も含めて、主たる原因はマラリアと赤痢だったそうです。75年前の泰緬鉄道に乗車し、戦場にかかった橋を歩いて往復しました。
 

 
31日の晩は、チャオプラヤ川7ヶ所から打ち上げるNew Year Eve花火大会をレブア ステート タワーのレストランから見学しました。Once in your lifeのSpectacleでした。
Amazing ‼
 

 
 

■2019年1月1日(火)

早朝のANAフライトで羽田へ戻り、2019年の福島脳神経外科手術全勝と合併症ゼロを祈念して明治神宮へ参拝。その後米国へ戻りました

明治大帝の神の護りに感謝感謝 ‼

カテゴリー名: 福島孝徳 脳神経外科 活動レポート |投稿日:2019年1月13日