福島孝徳 脳神経外科 活動レポート 2018年11月 <前編 >

福島孝徳 脳神経外科 活動レポート  2018年11月 前編

 

■11月2日(金)

Duke大学病院で手術後、夕方19:16時発のデルタ航空でLos Angelesに移動。そこから、いつも通り、Midnight夜中便で羽田へ。7時間熟睡出来ました。嬉しい事です。
 
本日は、神奈川県相模原市緑区大島(最寄駅は橋本駅)にある「晃友脳神経外科眼科病院」です。
 
昨今は、公立病院でも大学病院でも、日曜日には手術を受けてくれません。しかし、晃友脳神経外科眼科病院では、大橋元一郎院長(福島教授の高弟の1人)をはじめ、OP室のナースみなさんも積極的に日曜日のオペを受けてくれます。手術を待っている患者さんにとって、誠に有難い事です。晃友会の山瀬理事長、全ての病院スタッフに心から感謝申し上げます。
 
私は365日、毎日手術を行っています。新幹線やAirlineは、手術時間とオペ患者数に合わせて1~2カ月前からすべて予約していますが、手術が長引いて移動のスケジュールを変更するというのは年に1回ぐらいしかありません。Duke大学の手術でも、午前のオペは殆どが12~1時PMに終了し、午後2時~3時には空港へ向かっています。
 
 

●現場からの医療情報-脳神経外科の手術時間について

欧米の脳外科エキスパートは、沢山の手術を行うためと1日の時間を有効に使うために、手術を急ぐドクターが多いのです(あまり良い事ではありません)。
 
さらに米国では、全ての病院が「手術室使用料、1時間毎に2,000ドル以上」をチャージしますので、保険会社も、患者さんも4~5時間以内の早い適切な手術時間を要求してきます。
 
Duke大学では1室でメジャー手術を2~3件行いますのでグズグズしていられません。日本では、数多くの手術件数を経験している脳外科医が居ないので一般に手術時間が欧米の2倍~3倍かかります。難しい脳腫瘍では、12時間から24時間というのも多く見かけます。
 
私の場合、ほとんどのオペは2~5時間以内で完了します。開頭後の硬膜内手術操作は、通常10分~30分、複雑困難な脳腫瘍でも1~3時間内には終了します。数多くの症例経験があるため、顕微鏡下でのマイクロサージェリーを素早く確実に行うことができます。
 
 

■11月4日(日)

晃友脳外にて、熟年男性の右聴神経腫瘍を全剔しました。まだ1.5センチと小さいので顔面神経正常、SDS 80%の有効聴力も残りました。
 
次いで、高齢女性の左三叉神経痛鍵穴手術、典型的な上小脳動脈圧迫ループを完全にテント側へ移動し小さなテフロン綿で忍者テクニック固定しました。
 
 

■11月5日(月)

朝1で西葛西の福島孝徳脳神経センターでセカンドオピニオン外来10名を済ませ、昼から北葛西の森山記念病院で3例の手術をしました。
 
1) 右聴神経腫瘍の全摘術(顔面神経正常)
2) 鞍上部正中の大きな頭蓋咽頭腫を前頭部大脳間裂鍵穴手術で全摘。
(クラニオでなく、極めて稀な海綿状血管腫でした)

3.左後頭葉内側の大脳鎌髄膜腫全剔手術
 
この方は術後1週間で退院、そのままお仕事に戻れたと御礼の手紙がきました。

 
 

■11月6日(火)

朝1の東北新幹線で福島県郡山市へ。
 
総合南東北病院で右小脳橋角部類表皮腫の全摘術と、VA・PICA・AICA三重圧迫による左顔面痙攣の2名の手術を施行。両者とも1円玉の鍵穴手術で成功裡に終了しました。
 
午後は11月10日の鍵穴手術研究会の準備。夜中までかかりました。
 
 

■11月7日(水)

百合ヶ丘総合病院にて右顔面痙攣と三叉神経痛のMVT(血管転置移動術)鍵穴手術。顔面痙攣の方からは早々と「全治して顔が明るくなった」と嬉しいお手紙を頂きました。

 
午後は、東海大学病院で、野中洋一先生と若い患者さんの左浸潤性巨大眼窩・海綿静脈洞コルドイド腫瘍の全剔手術。頭蓋底バイパス(内頚動脈置換術)を用いて、根治的手術を行いました。
 
※2週間後に「全て順調に経過して元気に退院なされた」とお知らせをもらいました。本当に嬉しい話です。
 
 

■11月8日(木)

中野区江古田の総合東京病院にて、若いモンゴルの方の左眼窩・蝶形骨・上眼窩裂巨大髄膜腫の手術を行いました。内頚動脈、中大脳動脈全て剥離保存して、きれいに全摘できました。合併症なしでした ^^) _。
 
次いで、遠く北陸地方から来られた若い女性の巨大錐体骨斜台髄膜腫の全摘手術を行いました。腫瘍は巨大で、3番から11番まで9本の右側脳神経を巻き込み、且つ3本の小脳動脈もengulf、三叉神経も聴神経も全て腫瘍の中でした。錐体静脈を剥離保存して丁寧にミクロン単位の切除、5時間でレトロシグモイドの鍵穴から全摘出を成功させました。

 
 

■11月9日(金)

今日は、明日10日の「日本鍵穴手術頭蓋底治療研究会」に招待した11人の外国人教授のお迎えで忙しい日でした。
 
朝1に森山記念病院で左三叉神経痛と右舌咽神経痛のMVT2件を手術した後、イタリアのMastronardi教授を成田でお迎え。その後、佐々木先生、佐藤先生と私の3名で全てのゲストをお迎えしました。羽田と紀尾井町ニューオータニと3往復し、夜中近くまでかかりました。そのお迎えの最中、夕方19時~21時まで運営委員会も主宰しました。
 
あ~超忙しかったな~。
 
 

■11月10日(土)

本日は、第一回「日本鍵穴手術頭蓋底治療研究会」が開催されました。
 
07:30時に四谷のホテルへ到着。研究会参加ドクター、35人分のおにぎりとお茶を仕入れ、バス2台を手配しました。その後、全員を明治記念館へ送迎。
 
私の秘書(全国から6名)で受付、プログラム、業績録、記念誌等の配布を全て順調に行いました。全国から脳神経外科医200名の参加者をもって第1回日本鍵穴手術頭蓋底治療研究会が終日盛会裡に開催されました。夜は晩餐会。記念すべき1日でした。
 
 

●学術会議開催について

日本の医学・医療学術会議や学会は殆どが大学中心で行われ、開催には、いわゆる学会屋、コンベンションサービス会社が入ります。その場合、受付やスタッフの多くがアルバイト学生のため、英語も上手とは言えません。にもかかわらず高額な料金を請求されるので、私は昔からコンベンションサービス会社には依頼しないようにしています。
 
今回の「日本鍵穴手術頭蓋底治療研究会」では、全ての準備…お知らせ、郵送、ファイナンス、プログラム、学会の挙行まで、私と研究生フェロー、秘書さんのみで福島流に立派に開催して大成功でしたし、1986年にIWCVSの大きな国際会議(全世界から53名の教授を招待)を開催した時も全て福島流に取り仕切りました。
 
 

■11月11日(日)~11月13日(火)

11日は9名の欧米教授(2名は既に帰国)をつれて、鹿児島へ。鹿児島大学と厚地脳神経外科病院主催の第4回南九州脳神経外科国際シンポジウムが行われました。
 
12日、13日は、外国人教授の方々は鹿児島観光プログラム、私は両日とも手術でした。12日(月)Combined Petrosal アプローチによる若い女性の超巨大錐体骨斜台髄膜腫の手術(下図MRI)と、右聴神経腫瘍全剔手術を行いました。


 
13日(火)は4cmの大きな聴神経腫瘍の全剔術を行いました。両患者さんとも顔面神経正常。

カテゴリー名: 福島孝徳 脳神経外科 活動レポート |投稿日:2018年12月1日